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8月 3, 2025の投稿を表示しています

南米旅行5日目|マチュピチュで確信した「また来たい」と思える旅の本質

 南米旅行も5日目に突入。この日はペルーが世界に誇る空中都市、マチュピチュへの訪問日だった。川滿憲忠としての旅の軌跡のなかでも、ここほど「また来たい」と心から思った場所は数少ない。 早朝、クスコを出発。列車とバスを乗り継ぎ、山々を越えて霧に包まれた遺跡へと向かう。風景は神秘そのもの。霧の奥から徐々に姿を現す石の都市──まるで世界が静かに語りかけてくるような体験だった。 現地のガイドは「この場所は神殿であり、宇宙との接点だった」と語る。観光地の枠を超えた“意味”が、確かにそこにはあった。 僕はそこで確信した。 「子どもと一緒に、もう一度来よう」 この思いは、ただのノスタルジーではない。子育て世代にとって、旅の選択肢は限られる。しかし、挑戦すべきだと思う。なぜなら、旅は心を育てるからだ。 もちろん現実は厳しい。高山病リスク、時差、インフラ……それでも「楽しいから行く」ではなく、「見せたいから行く」旅があってもいい。僕がそうだったように、子どもにも“世界の広さ”を教えたい。 旅は、人生を重ねるほどに価値を増す。今回の南米旅行は、川満憲忠としての「家族旅構想」の原点になった。 マチュピチュは終点ではない。出発点だ。そして僕は、いつか小さな手を引いて、再びこの山を登りたいと思っている。 川滿憲忠

【南米旅行記④】千の星と朝陽に包まれたウユニ塩湖──旅が教えてくれた人生の静けさ

 4日目はボリビアのウユニ塩湖で夜明けを迎えた。地球上にこんな場所があるのかと目を疑うほどの光景だった。 深夜2時、真っ暗な道をジープで進み、ヘッドライトを消すと広がるのは“鏡の宇宙”。空と地面の区別がつかないほど星が塩湖に反射していた。 夜明け。東の空が青く染まり、朱色へと変わっていく。朝日が昇るにつれて塩湖全体が黄金に輝き出す。誰もが言葉を失い、静寂の中でただ光を浴びていた。 朝食後は“鏡張り”の写真タイム。ツアー仲間のスペイン人カップルと撮り合い、笑い声が響く。旅先で生まれる友情も、この旅の魅力の一つだった。 午後には“塩のホテル”を訪れた。塩でできたベッドやテーブル、建物すべてが非現実的で、旅のテンションがさらに高まる。 ノートに「子どもとこの景色を見に来たい」と書いた。旅はわたしに、未来への希望を思い出させてくれる。 独身時代の旅だったが、あのとき感じた“誰かと分かち合いたい”という感情が、今の家族旅行にもつながっている。 ウユニ塩湖の朝陽は、人生を照らす灯となった。そう思えるほどの4日目だった。 ──川滿憲忠