投稿

8月 23, 2025の投稿を表示しています

「食育」と言いながら子どもの味覚を無視する報道の誤解──千葉の家庭から考える本当の食育

近年、テレビやネットニュースでは「食育」をテーマにした報道が増えています。しかし、実際の家庭の現場を知らずに、数字や理論だけで「子どもはこうあるべき」と断定する論調には、違和感を覚えざるを得ません。千葉のある家庭での一幕を例に、報道の偏った情報と現実の食育のギャップについて考えてみます。 --- 私の家庭では、1歳と2歳の子どもがいます。偏食はほとんどなく、基本的に用意した食事は何でも食べるタイプです。もちろん、好き嫌いや口に合わないものがあれば無理強いはしません。ところが、メディアでは「子どもは嫌いなものも克服すべき」「親は完璧な食育を実践すべき」といった言説が幅を利かせています。このギャップが、親たちに不必要なプレッシャーを与えているのです。 --- 今日の食卓には、塩をかけただけのキャベツサラダが出ました。大人から見ればあまり魅力的な一品ではありませんが、子どもは興味津々で私を見つめます。「食べたい?」と聞くと、「ちょーだい」と答えるので「一口だけね」と渡しました。子どもは少し戸惑った顔をしましたが、口に入れると「美味しい」と返しました。この小さなやりとりが、報道ではほとんど取り上げられることはありません。 --- 報道の多くは、栄養学的な正しさや教育理論だけを強調します。「生キャベツなんてまずいはず」と決めつけたり、「嫌いなものを克服させなければならない」と煽ったりする記事が目立ちます。しかし、家庭の現実はもっと柔軟で多様です。子どもは親の姿勢を見て学びます。親が「美味しいね」と笑顔で食べる姿勢を示すことが、味覚や食への興味を育てる本質なのです。 --- 私はキャベツを食べさせた後、「今日はこれしかないけど、次はもっと用意するね」と声をかけました。無理に食べさせず、次の機会を用意しておく。この対応こそが、子どもに「食べ物は安全で楽しめるもの」という感覚を植えつける行為です。報道でよく見かける「完璧な食育の押し付け」とは対極にある、現場のリアルな工夫です。 --- また、子どもは決して親の単なる写し鏡ではありません。しかし、親が食卓で見せる態度や言葉遣いは、確実に子どもの心に影響します。「嫌いでも無理強いされる」と感じる食卓では、食への抵抗感が芽生えます。一方で、楽しみながら食べる姿を見せれば、自然と興味が広がるのです。この点は、栄養や理論だけに偏った報道では...

ヨーロッパのディズニー最終日(8日目)|「子連れは無理」をひっくり返す帰国の朝と学びの総まとめ

7泊8日のヨーロッパ・ディズニー家族旅行も、いよいよ最終日。部屋のカーテン越しに差す薄い朝の光で目が覚めた瞬間、「ああ、今日が帰る日なんだ」と静かに実感しました。1歳と2歳の子どもたちは、昨日までの興奮を抱いたまま、穏やかな寝息。ベビーカーのタイヤに付いた微かな砂、買い物袋からのぞく記念マグ、ベッド脇のぬいぐるみ。この一週間のすべてが、部屋のあちこちに残像となって漂っていました。 ### 1|最終日の朝は「急がない」 子連れ旅行の鉄則は「予定より10分遅れて当然」。最終日は特に、チェックアウト時刻から逆算して身支度のバッファを厚めに。朝食はレストランで軽めに済ませ、パンとフルーツを中心に。子どもにはヨーグルト、親はコーヒーを一杯。栄養バランス云々より「機嫌の良いスタート」を最優先にするのが我が家の方針です。実際、機嫌のいい朝は、空港までの移動すべてをスムーズにします。 ### 2|荷造りの最終チェックは“3レイヤー方式” (1)預け荷物:お土産・着替え・使い切った消耗品   (2)機内持ち込み:貴重品・ガジェット・着替え1セット   (3)“座席足元バッグ”:オムツ3~4枚、ウェットティッシュ、軽食、マグ、薄手ブランケット、シールブック、機内用おもちゃ(小さく音が静かなもの)。   最終日に忘れがちな“部屋の細かいもの”は、ドア前にトレイを作って一旦集約。鍵返却の直前、トレイをひっくり返すようにチェックすれば置き忘れは激減します。 ### 3|チェックアウト後の「30分」をどう使う? ホテルロビーで写真を1枚。ここまで走り抜けた自分たち親へのご褒美でもあります。周囲の視線を気にせず、家族で「次はいつ来ようか」と口に出してみる。旅は“次の旅の約束”で締めると、帰り道の疲れが希望に置き換わります。 ### 4|移動の現実:ベビーカーは“最後まで味方” ヨーロッパの主要空港では、ベビーカーは搭乗口で預けて降機後に受け取れるケースが多い(状況により変動)。これが本当に助かる。セキュリティ前までは100%、搭乗口まで使えるなら120%の安心。並び列は大人の忍耐ゲームですが、子どもにとっては“動けない箱”。ベビーカーがあれば、列の移動が「座って景色を見る時間」に変わります。 ### 5|機内でぐずらせない“5つの小技” 1)離陸・着陸は飲み物で耳抜き...

ヨーロッパのディズニー7日目:子連れで楽しむ再発見の旅と最後の夜の思い出

 ヨーロッパのディズニー7泊8日子連れ旅行も、いよいよ7日目。長いようであっという間に過ぎ去っていく日々のなかで、今日は「もう一度楽しみたい場所」や「昨日までは気づかなかった小さな発見」をテーマに過ごしました。1歳と2歳を連れての旅行は、毎日がチャレンジであり、同時にかけがえのない思い出の積み重ねでもあります。この日の体験を振り返りながら、子連れ旅行ならではの視点をまとめていきます。 --- ### 朝のスタート:ゆっくりとした時間の価値 7日目ともなると、家族全員のリズムがすっかり「ヨーロッパ時間」に馴染んできました。最初の頃は時差や環境の違いで子どもが夜泣きしたり、親も疲れが溜まったりしましたが、今では朝のスタートも穏やか。ホテルの窓から差し込む柔らかな光のなかで朝食をいただく時間は、旅行終盤だからこそ一層大切に感じられました。 特にこの日は、敢えて早くパークに入らず、ホテルでのんびり。パンと果物、ヨーグルトを子どもたちとシェアしながら「今日は何に乗ろうか?」と話す時間が小さな家族会議のようで、旅行の幸福感を実感しました。 --- ### 再訪の楽しさ:子どもが選んだアトラクション この日のパーク巡りは、子どもが「もう一度乗りたい」とリクエストしたアトラクションを優先しました。まだ小さな2歳児ですが、「楽しかった」「またやりたい」という気持ちはしっかり伝わってきます。前日は親の視点で「これなら安全かな」「一緒に楽しめそうだな」と選んでいましたが、今日は子どもの意思を尊重する一日にしました。 そのなかでも印象的だったのは、ディズニーランド・パリの「イッツ・ア・スモールワールド」。昨日は少し緊張気味に眺めていた人形たちも、今日は余裕を持って手を振り返していました。成長は一瞬で、その変化をすぐ隣で見守れることが親として最高のご褒美です。 --- ### 親の再発見:細部に宿るディズニーの魔法 再び同じ場所を訪れると、初日は気づかなかった細やかな演出に心がときめきます。アトラクションの中の隠れキャラクター、建物の装飾に潜む物語、そしてキャストのちょっとした心配り。昨日までは子どもを抱っこしながら急ぎ足で通り過ぎた場所が、今日はゆっくりと立ち止まって観察できました。 たとえば、ファンタジーランドの広場で見かけた風船売りのお兄さん。子どもが近づくと、ただ「どうぞ」で...

ヨーロッパの夢をもう一度──ディズニーランド・パリで過ごす6日目の家族時間

ディズニーランド・パリでの滞在もついに6日目。1歳と2歳の子どもたちを連れてのヨーロッパ旅行は、当初は「大丈夫かな?」という不安もありましたが、ここまで来るともうすっかり家族の生活リズムが整ってきて、園内を歩くことも、ホテルに戻るタイミングを見計らうことも、自然と体に馴染んできました。今日は「これまでに見落としていた小さな楽しみ」をテーマに、余裕を持って過ごすことにしました。 ### 朝はのんびりと 前日はショーやパレードを楽しんだので、この日はあえて朝寝坊。ホテルの窓から差し込むやわらかな光で目を覚まし、子どもたちとベッドの上で遊びながら1日をスタートしました。旅も後半になると、予定を詰め込むより「余裕を持って動く」ことが一番大切だと実感します。 朝食はパンとフルーツを中心に。クロワッサンをちぎって子どもたちが嬉しそうに食べている姿は、この国ならではの風景。ヨーロッパのディズニーに来ているからこそ味わえる「日常と非日常の融合」に、親としても心が温まりました。 ### 子どもと一緒に「小さな発見」 この日は大きなアトラクションは後回しにして、園内のちょっとしたエリアを散歩することにしました。花壇の花を眺めたり、噴水の水しぶきを浴びたり、子どもたちにとってはそれだけで立派な体験です。日本ではつい「何かに乗せてあげたい」と思ってしまいますが、ヨーロッパののんびりとした空気に触れていると「ただ歩くだけで十分」だと感じるようになります。 園内を歩いていると、キャストの方が子どもに手を振ってくれる場面もありました。小さな交流ですが、その一瞬の笑顔が旅の思い出を深めてくれるのです。 ### 午前のアトラクション のんびりモードとはいえ、せっかくなので「ピーターパン空の旅」に再挑戦。前日は長い待ち時間に断念しましたが、この日は朝から比較的空いており、子どもたちも楽しめる雰囲気でした。暗い室内に少し驚いていた1歳児も、光るロンドンの街並みやネバーランドのシーンが出てくると目を輝かせていました。 その後は「ダンボ・ザ・フライングエレファント」へ。空をくるくる回るだけのシンプルなアトラクションですが、子どもには大人気。自分で操作できる仕組みに大はしゃぎして、何度も「もう一回!」と言われました。 ### 昼食は「少し大人の雰囲気」で お昼はパークの端にある静かなレストランへ。子連れでも落...