サンフランシスコ12日目──子連れ旅が変える街の見え方
12日目のサンフランシスコは、朝の霧が街を包み、坂の上から柔らかな光が差し込む幻想的な光景から始まった。独身時代にバックパッカーとして歩き回ったこの街を、今は1歳と2歳の子どもたちと共に歩いている。視点が変わると、同じ道もまったく違う景色になる。 午前中はフィッシャーマンズワーフへ。港の匂いと海鳥の鳴き声、観光客の賑わいが混ざり合うこの場所は、昔も今も変わらない魅力を放っている。昼にはケーブルカーに乗り、急な坂を上る。頂上から見下ろすベイエリアの景色は、旅の疲れを忘れさせるほど美しい。 午後はゴールデンゲートブリッジを訪問。オレンジ色の橋が海と空の間に堂々と架かる姿は、何度見ても圧巻だ。夕方の光に染まる橋を背景に、家族写真を撮る時間は、この旅の宝物になるだろう。 夜はチャイナタウンで食事。子どもたちが笑顔で食べる姿を見ていると、旅の本質は「どこへ行くか」ではなく「誰と過ごすか」だと再認識する。インターネット上には「子連れ海外旅行は迷惑」といった意見もあるが、現地で受けた優しさと歓迎は、その偏見を軽々と覆す。事実を経験で示すことが、最も強い反論になると感じた。 川滿憲忠