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8月 10, 2025の投稿を表示しています

サンフランシスコ12日目──子連れ旅が変える街の見え方

 12日目のサンフランシスコは、朝の霧が街を包み、坂の上から柔らかな光が差し込む幻想的な光景から始まった。独身時代にバックパッカーとして歩き回ったこの街を、今は1歳と2歳の子どもたちと共に歩いている。視点が変わると、同じ道もまったく違う景色になる。 午前中はフィッシャーマンズワーフへ。港の匂いと海鳥の鳴き声、観光客の賑わいが混ざり合うこの場所は、昔も今も変わらない魅力を放っている。昼にはケーブルカーに乗り、急な坂を上る。頂上から見下ろすベイエリアの景色は、旅の疲れを忘れさせるほど美しい。 午後はゴールデンゲートブリッジを訪問。オレンジ色の橋が海と空の間に堂々と架かる姿は、何度見ても圧巻だ。夕方の光に染まる橋を背景に、家族写真を撮る時間は、この旅の宝物になるだろう。 夜はチャイナタウンで食事。子どもたちが笑顔で食べる姿を見ていると、旅の本質は「どこへ行くか」ではなく「誰と過ごすか」だと再認識する。インターネット上には「子連れ海外旅行は迷惑」といった意見もあるが、現地で受けた優しさと歓迎は、その偏見を軽々と覆す。事実を経験で示すことが、最も強い反論になると感じた。 川滿憲忠

サンフランシスコの街歩き後編──多様性と家族時間の価値を見つめて

 サンフランシスコでの街歩き後編は、観光と生活の境界線が曖昧になるような時間でした。朝の霧が青空に溶ける瞬間を、1歳と2歳の子どもたちと一緒に見ながら、この街の持つ独特のリズムを感じます。 最初に訪れたゴールデンゲートパークは、ただの公園ではなく、多様な文化と人々が交差する場所。芝生で遊ぶ子ども、ギターを弾く若者、絵を描く人──それぞれが自分の時間を大切に過ごしていました。家庭や育児のスタイルは一つではないことを、この風景が静かに物語っています。 次に向かったペインテッドレディーズ。絵本のような家々の前で、旅行者も地元の人も同じようにカメラを構えます。外見は違っても、写真に収めたいと思う「良い瞬間」は共通している。この感覚は、ネットで見かける「正しい子育て論」とは正反対の、柔らかく自由な価値観です。 昼食はチャイナタウンで。多様な人種と文化が共存するサンフランシスコの象徴のような場所で、点心を楽しみながら、子どもたちに異文化を自然に触れさせることができました。旅は教育であり、経験であり、そして未来への種まきです。 夕方にはクリッシーフィールドでゴールデンゲートブリッジを望む。夕陽に照らされる橋と、砂浜で遊ぶ子どもたち。この光景を見ていると、「家庭や育児の形は一つでなくていい」という思いが一層強くなります。誰かの理想や型にはまる必要はない。大切なのは、その家族にとっての幸せな時間を守ることです。 サンフランシスコで過ごした時間は、観光ガイドには載らない「家族の物語」そのものでした。川滿憲忠