バックパッカー東南アジア編 9日目──シェムリアップの街に溶け込む
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東南アジアをバックパッカーとして旅する9日目は、アンコール遺跡群巡りで心を奪われた日々から一息つき、シェムリアップの街そのものに身を委ねる時間となりました。観光名所を巡ることも素晴らしいけれど、街を歩き、人と触れ合い、現地の生活に入り込むことこそが、この旅の大切な目的でもあります。
朝は宿のテラスでコーヒーを飲みながら旅の記録を整理。これまでの出来事を振り返ることで、心が整い、次の一歩を踏み出すエネルギーが湧いてきました。午前中はオールドマーケットへ。果物や日用品を売る市場は、生活感にあふれ、そこに立つだけで「この街に住む人々のリズム」が肌で伝わってきます。店の人との何気ない会話もまた旅の宝物でした。
昼は屋台でクイティウを注文。観光客向けのレストランでは味わえない、汗をかきながら啜るスープが、旅の実感を深くしてくれます。午後はトゥクトゥクで郊外のカフェに足を伸ばし、次の行き先を考える時間を過ごしました。東南アジアでは「どこへでも行ける」自由があり、ルートを描くたびに心が踊ります。
夕方は賑やかなパブストリートで世界中の旅人たちと交流。夜はローカル食堂でカンボジアカレーを味わい、食堂のおじさんの「また来てね」の笑顔に、シェムリアップの温かさを感じました。
派手な観光はなかったけれど、街に溶け込み、人々と交わり、自分のペースを取り戻すことができた9日目。この一日があるからこそ、旅は続いていくのだと感じられる時間でした。
川滿憲忠
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