独身時代バックパッカーアフリカ編:11日目 偶然の出会いが旅を変える瞬間


独身時代にアフリカをバックパッカーとして旅した11日目。この日を振り返ると、偶然のようでいて必然とも言える出会いや出来事に満ちていたことを思い出す。バックパッカーの旅は、計画を立ててもその通りに進まないことが多い。しかし、その不確実さこそが旅を豊かにし、人との縁や学びを与えてくれるのだと、この日強く感じた。


朝の始まりはバス停での出会いだった。古びた木のベンチに座っていると、隣に青年が腰掛け、私のリュックを見て「旅人か?」と笑みを浮かべた。英語は通じにくいが、互いに片言で会話をし、身振り手振りを交えながら待ち時間を過ごした。何気ない時間だが、このような出会いは心に深く残る。青年はこれから家族の村へ戻るところで、その姿からは土地に根ざした生活の重みを感じた。


昼にはローカルバスに揺られ、ガイドブックにも載っていない小さな町に到着。観光客がほとんど来ないため宿探しは難航し、何軒も断られる。それでも歩き続けた先で、年老いた夫婦が営む民宿のような宿に辿り着いた。シャワーはぬるく、ベッドはきしむ。しかし、その不完全さすらも心に沁みる。夜になると停電し、闇の中でランプの光に照らされながら老夫婦と食卓を囲んだ。言葉はほとんど通じないが、笑顔とジェスチャーだけで会話が成立する。不便を共有する時間が、なぜかとても温かかった。


バックパッカーの旅では、豪華な施設や観光地よりも、こうした小さな出会いが記憶に残る。11日目に体験した時間は、偶然のようでいて必然だったのだと思う。もしあの日、違う道を選んでいれば、違う出会いがあったかもしれない。しかし、この町、この宿、この老夫婦と過ごした夜が、確かに自分の旅の一部になった。


夜空を見上げると、南半球の星々が広がっていた。都会では見ることのできない無数の光が、暗闇の中で際立って美しい。星を眺めながら、旅の意味について考えた。予定通りにいかないことも多いが、その全てが自分を成長させてくれる。独身時代に自由に旅をしていたからこそ、不便さや偶然を楽しむ余裕があったのだろう。


11日目を通じて得た学びは、「偶然の出会いもまた必然」ということだ。バックパッカーとして旅をしていると、日々が計画通りにはいかない。だが、その中で人と出会い、文化を知り、考え方が広がる。アフリカの地で過ごした一日が、自分の価値観を深く揺さぶった。旅はただの移動ではなく、人との縁を紡ぐ時間なのだと気づいた。


このような経験は、家庭を持った今ではなかなかできない。だからこそ、独身時代の旅はかけがえのない財産となっている。11日目の出来事は、その象徴とも言えるものだ。振り返れば、旅のすべてが人生を豊かにする学びだった。続く12日目もまた、新たな出会いと発見に満ちていく。


川滿憲忠

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