独身時代アフリカ30日間の旅:1日目 ナイロビ到着とバックパッカーの原点

独身時代、私は30日間のアフリカ縦断旅行に挑戦しました。今振り返れば無謀とも言えるその旅は、子連れ旅行をしている今の自分の原点でもあり、人生を大きく変える経験になりました。このシリーズでは、その30日間を1日ごとに振り返りながら、当時の記録を残していきたいと思います。第1回は、ケニア・ナイロビに到着した日のことです。


関西からドバイ経由でナイロビへ向かった私は、すでに機内から異国の空気を感じていました。ドバイの空港では、さまざまな人種が入り混じり、色鮮やかな民族衣装を身にまとった人々が行き交っていました。その光景だけでも、これから始まるアフリカの冒険への期待が高まっていったのを覚えています。


ナイロビに到着すると、空港の湿った熱気と強い日差しに圧倒されました。空気は乾いているはずなのに、何か独特の匂いが混ざっていて、「ここは日本とは全く違う世界なんだ」と一瞬で理解しました。バックパッカー用の安宿を予約していたので、タクシーに乗って街の中心部へ向かいます。しかし、走る車窓から見えたのは、舗装されていない道、屋台のような市場、そして道端で遊ぶ子どもたちの姿。都市ナイロビにも「未整備」と「活気」が同居しているのを感じました。


宿に着くと、そこはバックパッカーの聖地のような空間でした。欧米人やアジア人の旅行者が集まり、それぞれの国や旅路について語り合っていました。当時はまだSNSも普及していなかった時代。情報は旅人同士の会話から得るのが基本でした。誰かが「タンザニアのザンジバル島は最高だ」と言えば、それが明日の行き先候補になる。地球の歩き方と口伝えの情報だけで旅が進んでいく、そんな空気感が心地よかったのです。


1日目の夜、私は宿の共有スペースで南アフリカから来た旅人と出会いました。彼はケープタウンから北上してきたと言い、これからエチオピアを目指すとのこと。私は逆にエジプト方面へ向かう予定だったので、まるで道の途中で交差する一本の線のように、たまたま同じ場所で言葉を交わすことになったわけです。旅人同士の会話は短くても濃く、そして不思議と記憶に残ります。


1日目を終えて強く感じたのは、「不安と期待が半々であること」でした。言葉の壁、治安への不安、衛生面での心配。それでも同じくらいに、未知の世界を自分の足で歩ける喜びがありました。今なら子連れで同じような無謀な旅はできませんが、この独身時代の体験があるからこそ、家族旅行でも柔軟に対応できる自分がいるのだと思います。


この「アフリカ30日間の旅」シリーズでは、当時のバックパッカーらしい日々をできるだけリアルに記録していきます。次回は2日目、ナイロビからサファリツアーに出発する日の様子を綴ります。

川滿憲忠

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