独身時代に挑んだアフリカの旅──バックパッカーとして見た世界


「子連れ旅行」の記事を続けてきた中で、今回は少し視点を変え、私自身の原点ともいえる「独身時代のバックパッカー経験」について振り返りたいと思います。アフリカ大陸を旅したあの日々は、現在の私の価値観や行動に大きな影響を与え、子育てや家族との旅のスタイルにも通じるものがあると感じています。


アフリカ大陸に初めて足を踏み入れたとき、そこには「地図の上で見ていた国々」とは全く異なる世界が広がっていました。乾いた空気に包まれたサハラ砂漠の広がり、草原を自由に歩く動物たちの姿、都市部に集まる人々の活気、そして小さな村で交わされた素朴な会話。すべてが新鮮で、どこか懐かしささえ感じさせる光景でした。


バックパッカーとしての旅は、決して快適なものではありませんでした。安宿ではシャワーが使えないこともあり、バスは予定通りに出発せず、現地の人々と身振り手振りで意思疎通を図る日々。けれども、そんな「不便さ」こそが、私をその土地に深く結びつけてくれたのだと思います。便利さに慣れた日本では決して味わえない「旅の濃さ」がそこにありました。


特に印象に残っているのは、東アフリカでのサファリ体験です。動物図鑑でしか見たことのないライオンやゾウを目の前にしたとき、自分の存在がいかに小さく、自然の一部に過ぎないのかを実感しました。また、村を訪れた際に出会った子どもたちの笑顔は、物質的な豊かさに恵まれなくても、人が幸せでいられるということを教えてくれました。


さらに、南部アフリカではアパルトヘイトの歴史や格差社会の現実を目の当たりにしました。観光としての楽しさだけではなく、社会的な背景に触れることで「旅をする意味」を深く考えるようになりました。単なる異文化体験ではなく、「そこに生きる人々の歴史や現実に目を向ける」ことが、私にとってのバックパッカー旅の意義だったのだと今では思います。


この経験は、現在の「家族旅行」にも生きています。子連れで旅をする際、私は「不便さ」を避けるのではなく、できる範囲で受け入れるようにしています。例えば、公共交通機関を利用したり、現地の食堂で食事をしたり。もちろん子どもの安全を最優先にしながらも、「旅先での予期せぬ体験」を楽しむ姿勢を大切にしています。これは間違いなく、アフリカでのバックパッカー経験から学んだことです。


旅は人を変える、とよく言われますが、まさにその通りだと実感します。アフリカを旅したことで、私は「多様な価値観を受け入れる柔軟さ」と「どんな環境でも楽しむ力」を身につけることができました。これは子育てや家族との生活においても、大きな支えとなっています。


独身時代にアフリカを旅したことは、今でも私の人生における大きな財産です。そして、その財産を家族や子どもたちと共有し、次の世代に受け継いでいきたいと思います。旅は過去の思い出ではなく、未来につながる大切な種なのです。


川滿憲忠

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