南米バックパッカー旅13日目|クスコで感じた“帰る勇気”と“また歩く意志”

 旅の13日目にして、私はついに旅の終わりを迎える。クスコの小さなホステルから空港へ向かう道中、自分の中にあるいくつもの感情が波打っていた。


アンデス越え、ウユニ塩湖、アマゾンでの命の体験、アタカマ砂漠の星空。それらすべてを追いかけてきた自分が、これからまた日常に戻る。「旅を終える」とは、「日々を始める」と同義なのかもしれない。


朝、市場で見かけた織物、マンゴーの甘さ、「Buen viaje」と笑顔で見送ってくれたパン屋のおばさん。どれも、旅人を支える記憶だ。「また来てね」という言葉を束ねながら、私は帰国のフライトへと歩いた。


列車でマチュピチュ村を通過しながら、あの日見た風景が瞼の裏に浮かぶ。世界中に素敵な場所は無数にある。だけど、この旅で感じた何かは、どこにもない価値を持っていた。


夜、クスコに戻り、遠くの山々をぼんやり眺めた。街の灯りは川のように揺れ、星と混ざって見える。帰る勇気と、また歩く意志。どちらも胸の中にある。


「帰る場所」がどこかにあること。そして「歩きたい場所」がまだあること。旅人であり、父であり、何より人生の旅人である自分を少しだけ誇れた気がした。


──川滿憲忠

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