南米バックパッカー旅総括|13日間の孤独と出会いがくれた「未来の景色」
若き日の私は、自分を知るために南米を旅した。ペルーのクスコから始まり、ウユニ塩湖、月の谷、アマゾン奥地、アタカマ砂漠、リオ・デ・ジャネイロ、最後はクスコから帰路。それぞれの場所に、出会い、静寂、孤独、感動があった。
この13日間は、私自身のアイデンティティをゆさぶる経験だった。旅先で言葉を交わした人、手を差し伸べてくれた旅仲間、自然の音を教えてくれたガイド。誰一人として観光用のキャラクターではない、本物の人たちだった。
旅を終えてから家族と暮らす中で、あの時間がくれた視点が心を支えてくれている。「限界を越えた経験」や「偶然の出会い」が、日々の子育てや生活の中で迷う自分に道しるべを与えてくれる。
そして、私の中で最も強く思っているのは、この旅を「人生の物語のおおきな章」だと捉えていること。すべての経験が今の自分を形づくっている。だからこそ、子どもたちにも「自分を広げる旅」の機会を与えたいと強く願う。
13日間をまとめている今、私はまた歩き出す。今度は子連れの旅として。あの風景に、あの静寂に、あの熱狂に、家族と共に触れる日が来ることを信じて。
この記録が誰かの心に響き、旅をしたくなると思ってくれるなら、それが旅の本質への小さな証になると思う。