サンフランシスコ15日目──独身時代のバックパッカー最終日
サンフランシスコで迎えた15日目の朝は、いつもより静かだった。長い旅の締めくくりの日という実感が、胸の奥にじわじわと広がっていた。独身時代にしかできないと決めて飛び出したバックパッカーの旅も、今日で一区切りだ。
ホステルの共用キッチンで簡単な朝食をとりながら、同じ宿泊者と旅の話をする。最終日だと告げると、「街を目に焼き付ける日だね」と言われ、その言葉が心に残った。午前中はフィッシャーマンズワーフまで歩くことにする。海風に吹かれながら過ごす時間は、まるで旅の総集編のようだった。
サワードウブレッドの中に注がれたクラムチャウダーを食べ、アシカたちを眺める。午後はミッション地区へ向かい、壁一面のミューラルを再び堪能した。多様性と包容力に満ちたこの街は、訪れるたびに新しい表情を見せてくれる。
夕方には荷物をまとめ、最後にゴールデンゲートブリッジを遠くから見た。夕陽に照らされた橋の姿は、旅の終わりにふさわしい壮大な景色だった。空港へ向かうBARTの中で、旅を通して得た出会いや経験の重みを感じる。自由で予測不能、そして少し孤独なこの旅が、自分を確かに成長させた。
夜の空に浮かぶ街明かりを見下ろしながら、この15日間が自分にとって忘れられない時間になったことを確信した。再びこの街に来る日が楽しみだ。