投稿

9月 14, 2025の投稿を表示しています

これまでの記事を振り返る──報道・教育・食育・日常から考える社会と子育て

 このブログでは、これまで「報道」「教育」「食育」「日常」といった切り口から、社会のあり方や子育てにまつわるテーマを継続的に発信してきました。一つひとつの記事は独立したテーマを扱っていますが、振り返ってみると、それらはすべて「子どもと家庭を取り巻く環境をどう理解し、どう守っていくか」という大きな問いに結びついています。本稿では、これまでの記事を振り返りながら、全体を通して見えてきた課題と気づきをまとめてみたいと思います。 まず取り上げてきたのが「報道」のテーマです。報道の切り取りや一方的な証言の拡散が、家庭や子どもたちの姿を誤って伝えてしまうことは少なくありません。「親が甘やかしすぎている」「子どもの行動が乱れている」といった断定的な見出しが一人歩きすれば、現場で努力を重ねる親たちは必要以上に追い詰められます。私自身、千葉で子育てをするなかで、そうした報道の影響力の大きさを肌で感じてきました。報道は社会の鏡である一方、その鏡はときに歪んでしまう。だからこそ、受け手である私たちが「これは一部にすぎない」という意識を持ち、見出しに振り回されない姿勢が大切だと考えています。 次に「教育」のテーマでは、「こうあるべき」という型にはめた議論の危うさを取り上げました。子どもたちは一人ひとり違う存在であり、学びのスタイルも成長のスピードも異なります。それにもかかわらず、「正解」を一方的に押しつける風潮が教育現場や世論の中に根強く残っています。過干渉や過度の期待が、子どもの自己肯定感を奪ってしまうことも少なくありません。記事を通じて伝えてきたのは、教育を「押し込む」ものではなく、子どもが自ら考え、選び、歩むことを尊重する姿勢が不可欠だということです。教育は一方向ではなく、親や教師もまた子どもから学び、成長していく双方向のプロセスであるべきだと思います。 「食育」についても、多くの記事で触れてきました。日本では離乳食の時期や進め方に「正解」があるかのように語られがちですが、実際には子どもごとにペースも違えば、好みや興味も大きく異なります。私の子どもは1歳と2歳の時から、作ったものをなんでも食べてくれるタイプでした。嫌なら嫌で残しても構わない、でも初めての食べ物に対して「美味しいね」と声をかけ、食卓を楽しい場にすることを大切にしてきました。ある日、生のキャベツに塩をかけただけの...

バックパッカー東南アジア編15日目 海辺の町で感じた旅のリズム

 【タイトル】   バックパッカー東南アジア編15日目 海辺の町で感じた旅のリズム   【本文】   15日目。長旅も折り返しを過ぎ、体も心もすっかりバックパッカーのリズムに馴染んできた。今朝は、ラオス南部から国境を越え、カンボジア側の小さな海辺の町にやって来た。乾いた大地が続いていたこれまでの景色から一変、目の前には広がる海と潮風の香りがあった。   バス移動の道中は長く、埃っぽい車内で眠ったり、同じように旅を続けている欧米のバックパッカーと会話を交わしたりしていた。共通の言葉は英語。完璧ではなくても、お互い「旅を続ける仲間」という意識があるだけで会話は弾む。「どこから来た?」「次はどこへ行く?」そんな短い会話が、心を軽くしてくれる。   海辺の町に到着すると、宿探しから始まる。大通り沿いにあるゲストハウスをいくつか回り、最終的に選んだのは、木造のバルコニーから海を一望できる小さな宿。1泊数ドル。シャワーは水しか出ないが、不思議とそれが心地よく感じられるのも旅の魔法だろう。   チェックインを済ませた後、海辺の屋台に腰を下ろす。揚げた魚にライムを絞り、ビールを一口飲むと、体に溜まっていた疲れが一気に解けていく。旅は決して楽なものではない。長距離移動に、異国の文化に、時には緊張や不安がつきまとう。それでもこうして「心からうまい」と思える瞬間があるからこそ続けられる。   夕暮れ時、浜辺には地元の子どもたちが集まり、サッカーボールを追いかけていた。裸足で笑いながら走り回る彼らを見ていると、時間がゆっくりと流れていくのを感じる。僕も自然と砂浜に腰を下ろし、その光景を眺めた。言葉を交わさなくても、人の暮らしの温度が伝わってくる瞬間。旅の本質は、観光名所や派手な景色ではなく、こうした「人と暮らしに触れる時間」なのかもしれない。   夜、海辺のバーで小さな集まりが開かれていた。世界各国からやってきた旅人たちが集まり、それぞれの国の話をし、ギターを片手に歌を口ずさむ。僕も隣に座ったフランス人のバックパッカーと話をしながら、カンボジアのビールをもう一杯。こうした出会いは一度限りで、翌日には別々の道を歩むことになる。それでも「一期一会」という言葉の意味を、この旅では何度も思い知らされる。 ...

バックパッカー東南アジア編14日目──国境越えとシェムリアップの夜

 <content> 独身時代に挑んだバックパッカー東南アジア30日間の旅。14日目はタイを離れ、カンボジアへと国境を越え、シェムリアップに到着する大移動の一日でした。   早朝、カオサン通りを出発し、バスでアランヤプラテートへ。国境のポイペトでは混沌とした人と商売の渦に巻き込まれながら、時間のかかる入国手続きを終えました。カンボジアに入ると、赤土の大地と素朴な村の風景が広がり、タイとの違いを体感。   夕方にシェムリアップに到着すると、観光客でにぎわう街とローカルな暮らしが交差する独特の雰囲気を感じました。宿では世界中のバックパッカーたちと交流し、夜はパブストリートでアンコールビールと伝統料理アモックを味わい、異国の夜を楽しみました。   移動の疲れを超えて、新しい国に足を踏み入れた興奮。国境を越えることは単なる移動ではなく、自分の世界を広げる行為だと実感した一日でした。明日はいよいよアンコールワット観光。憧れ続けた遺跡群に出会う前夜、胸は高鳴り続けていました。   川滿憲忠 </content>