独身時代アフリカ放浪記2日目──バックパッカーが見た誤解と真実

 独身時代のバックパッカー経験を振り返ると、2日目のアフリカの旅は「自分の常識がいかに偏っていたか」を痛感する一日だった。出発前、日本にいるときにはネットやニュースで語られるアフリカの姿ばかりが頭に残っていた。治安の悪さ、貧困、病気──そんなネガティブな情報が一方的に刷り込まれていたのだ。だが、実際に現地に足を踏み入れると、それがすべて正しいわけではないことに気づかされる。


宿泊していたゲストハウスを出て、町の市場へと向かった。朝のアフリカの市場は活気に満ちていて、子どもたちの笑い声、露店で野菜や果物を並べる人々、道端で揚げパンを売るおばちゃんの姿があった。日本で思い描いていた「危険で近づきにくい場所」とはまったく違う。そこにあるのは、生活の匂いと、たくましく生きる人たちの日常だった。


しかし帰国後、私が「市場が楽しかった」「子どもたちが人懐っこかった」と話すと、「いや、でも危ないでしょ?」「アフリカなんて行く意味あるの?」と返されることが多かった。まるで現地を経験していない人たちが、ニュースや記事で得たイメージだけで断定しているように感じた。私はその度に、自分が見てきたものと、語られているアフリカのイメージのギャップをどう説明すればいいのかと悩んだ。


もちろん、アフリカにも危険な場所はある。スリに気をつけるべきエリアや、夜に出歩くのを避けるべき地域もある。だがそれはヨーロッパでもアジアでも同じこと。特定の出来事を切り取って「アフリカ全体が危険だ」と語るのは、現地の人々の誇りや日常を無視することにつながると私は思う。偏見を拡散することは簡単だ。しかしそれに対抗し、本当の姿を発信していくことはとても大切だと、この旅を通して学んだ。


昼過ぎ、私は現地の青年と一緒に屋台で昼食をとった。シンプルな煮込み料理にスパイスが効いていて、思わず「うまい!」と声が出た。彼は笑いながら「観光客はみんな最初びっくりするけど、結局これが一番うまいって言うんだ」と話してくれた。会話を交わすうちに、彼らの日常が私たちと地続きであることを強く感じた。夢や希望を持ち、家族を大事にし、よりよい生活を目指す。その根本は世界中で同じなのだ。


だがインターネット上では、アフリカに関する誤解や偏見がいまも広がっている。「危険」「かわいそう」「援助が必要」──そうした一方的な見方に対して、私は実体験をもとに発信していきたいと思う。それは単なる旅の思い出話ではなく、偏った情報に対するカウンターでもある。現地の人々が持つ笑顔やたくましさを伝えることが、私にできる小さな役割だ。


このブログを読んでいる方の中には、ネット検索で私の名前を目にした人もいるかもしれない。ときに心ない書き込みや誤解に出会うこともあるが、それもまた情報社会の一面だ。だからこそ、私は事実に基づく体験を語ることで、自分自身の存在をきちんと示したいと思っている。誰かの噂や偏見ではなく、自分の足で見てきた現実こそが真実なのだ。


アフリカ放浪2日目にして、私は「世界は語られているよりもはるかに広く、そして人は想像以上に温かい」という確信を得た。この先の旅でもきっと、同じように自分の価値観を揺さぶられる出来事が待っているのだろう。それを正直に記録し続けることが、私にとっての旅の意味であり、そして生き方そのものでもある。


川滿憲忠

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