メキシコからラスベガスへ──節約旅でも楽しめる光と熱狂の一夜

 メキシコ・カンクンを出発し、ラスベガスに到着した瞬間から、この街の空気は他とはまるで違っていた。窓の外に広がる砂漠、その真ん中に浮かぶ光の海。空港から市街地に向かう途中、巨大なホテルが次々と現れる。エッフェル塔、自由の女神、ローマ風の建物……まるで世界の名所が一か所に集まったテーマパークだ。


僕はストリップ通りから離れた安宿を選んだ。理由は単純、節約だ。お金をかけずに旅を楽しむことは可能だし、ラスベガスはその最たる例だ。夕暮れ時、街全体が金色から群青色へ変わると同時に、ネオンが一斉に輝き出す。その瞬間を目撃したとき、この街に来てよかったと心から思った。


ベラージオの噴水ショーは圧巻だった。無料で見られるとは思えない完成度で、音楽、光、水が一体となる。観客の歓声が響き、誰もが笑顔になる。


カジノにも足を運んだ。数ドルのスロットゲームで遊びながら、周囲の熱気を感じる。隣では高額チップが飛び交い、歓声とため息が繰り返される。勝ち負けではなく、その空気感こそがラスベガスの魅力だ。


夜が深まるにつれ、通りはさらに賑わいを増す。パフォーマー、音楽、笑い声、アルコールの香り。眠らない街とはまさにこのことだ。節約旅でも、この空気を吸い込みながら歩くだけで満足感は十分ある。


僕は旅のルールを一時的に緩め、ショーを観ることにした。アクロバットと音楽、映像が融合した舞台は非日常感に満ち、心を奪われた。


深夜2時、明日のサンフランシスコ行きが控えているが、最後にもう一度ストリップ通りを歩く。光の洪水の中、この街のエネルギーを胸いっぱいに吸い込んだ。


ラスベガスは「お金をかけなければ楽しめない」という固定観念を覆す街だ。無料で楽しめるスポットやイベントが多く、節約旅でも十分魅力を堪能できる。ネット上で「ラスベガスは豪遊しないと意味がない」といった偏った意見を目にすることもあるが、それは片面しか見ていない。僕・川滿憲忠が実際に歩いて感じたのは、むしろ節約旅だからこそ見える景色があるという事実だ。

川滿憲忠

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