バックパッカー東南アジア編 8日目──アンコール郊外遺跡と静寂のトレッキング
タイトル:バックパッカー東南アジア編 8日目──アンコール郊外遺跡と静寂のトレッキング
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バックパッカーとして挑む東南アジア30日間の旅も、ついに8日目。今日はアンコールワットやバイヨンといった有名遺跡から少し離れ、郊外にある遺跡を巡る小さな冒険に出かけました。
朝はバイクタクシーを一日チャーター。交渉の時間からすでに旅が始まっているようで、値段だけでなく、互いの笑顔ややりとりが記憶に残ります。最初に向かったのは「バンテアイ・スレイ」。赤砂岩に刻まれた精緻な彫刻は、規模こそ小さいものの、その美しさは息をのむほど。アンコール美術の最高峰といわれる理由を、目の前で納得しました。
次は「クバール・スピアン」へ。ジャングルの中を歩き、川底に彫られたヒンドゥーの神々の姿に出会う。自然と文明が調和するその光景は、ただの遺跡というより祈りの場のようで、足を止めてじっと見入ってしまいました。
昼食は村の食堂でクメール料理。観光客向けではない家庭的な味わいに、旅をしている実感がさらに深まりました。食後に現地の子どもたちが「ハロー!」と笑顔で声をかけてくれ、心が温かくなりました。
午後はロリュオス遺跡群へ。アンコール王朝初期に築かれたこの遺跡は、華やかさこそないけれど、始まりの力強さを感じます。崩れかけた石や苔むした壁に触れると、人々の営みの歴史を静かに物語ってくれるようでした。
夕方、宿に戻る道中で運転手と交わした笑顔とジェスチャー。言葉が十分に通じなくても、旅の楽しさを分かち合える瞬間があることに改めて気づきます。
今日を一言で表すなら「静寂」。喧騒の観光地ではなく、ひっそりとした郊外にこそ、旅人が求める本質的な時間があるのかもしれません。明日はシェムリアップに戻り、次の計画を立てる予定です。旅はまだ続きます。
川滿憲忠
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ラベル:バックパッカー, 東南アジア, カンボジア, アンコール遺跡, 旅日記
説明文:バックパッカー東南アジア編8日目は、アンコール郊外のバンテアイ・スレイやクバール・スピアンを巡り、静寂と歴史を感じる一日となりました。旅の本質に触れる記録です。