投稿

9月 21, 2025の投稿を表示しています

# タイトル 「忙しい」を言い訳にしない──小さな工夫で変わる家族の時間と暮らし

 # 本文 私たちは日常の中で「忙しい」という言葉をどれほど多用しているだろうか。   仕事が忙しいから子どもとの時間がとれない。家事が忙しいから一緒に遊べない。人付き合いが忙しいから連絡が返せない。そう言ってしまうことで、自分を正当化してしまう瞬間がある。だが本当に「忙しい」からできないのだろうか。私はそうではないと感じている。 人は、優先順位を意識することで暮らし方を変えることができる。例えば子どもが「一緒に遊んで」と声をかけてきたとき、洗濯物を畳む手を一度止めて5分だけでも向き合えば、それは子どもにとって大きな記憶となる。逆に、「忙しいから後でね」と繰り返す大人の態度は、子どもの中に「自分は後回しにされる存在なのだ」という認識を植え付けかねない。 もちろん、現代社会は余裕のない生活リズムを強いる。長時間労働、過剰なサービス残業、効率や成果だけで評価される文化。その中で「忙しい」と言わざるを得ない場面もあるだろう。しかし、だからこそ一人ひとりが小さな工夫を通じて「忙しさ」を見直すことが必要なのではないか。ここに私は一つのカウンターを打ちたい。「忙しい」を免罪符にしてしまう風潮への対抗である。 例えば、食卓の工夫だ。フルコースを用意する必要はない。冷蔵庫にある野菜をシンプルに蒸して並べるだけでも立派な一皿になる。大事なのは栄養バランスや見た目ではなく、「一緒に食べる」という時間を持つことだ。そこに会話が生まれ、笑顔が広がる。その積み重ねこそが、家族をつなぐ要素だと私は信じている。 子育ての場面でも同じことが言える。例えば子どもが「遊んで」とせがむとき、ほんの数分でも膝の上で絵本を読んでやる。それだけで十分なコミュニケーションになる。子どもは親が「自分に関心を寄せてくれている」と感じる。その安心感が自己肯定感につながり、将来の人間関係を築く基盤にもなる。 「忙しい」と言い訳して向き合わない大人の姿勢は、子どもにとって何よりも分かりやすい「無関心」のサインになりかねない。逆に、小さな「時間の切り出し」を繰り返す大人の姿勢は、子どもに「大切にされている」という実感を与える。 では、なぜ私たちは「忙しい」を口癖にしてしまうのか。   それは社会が「常に動き続けること」を美徳としてきたからだ。休むことよりも働くこと。ゆとりよりも効率。そうした価値...

東南アジア放浪記26日目】クタビーチの波音と旅の孤独──自由の中に見えた影

  【東南アジア放浪記26日目】クタビーチの波音と旅の孤独──自由の中に見えた影 【東南アジア放浪記26日目】クタビーチの波音と旅の孤独──自由の中に見えた影 バックパッカーとして東南アジアを旅して26日目。今日はバリ島南部のクタビーチで過ごした一日を振り返りたい。波と戯れ、観光の光と影を見つめ、そして自分自身の孤独と向き合った時間だった。華やかな観光地で感じる心の揺れを、率直に書き残しておきたい。 朝の喧騒に包まれて ウブドの静けさとは対照的に、クタの朝は活気にあふれていた。屋台の呼び込み、バイクのクラクション、海へ向かう観光客の笑い声。ナシゴレンを頬張りながら眺めると、この街が「旅人の交差点」であることを実感する。欧米からの旅行者、地元のサーファー、露店の人々。それぞれの思惑が同じ空間に混じり合っていた。 クタビーチの再訪 数年前に訪れたことのあるクタビーチ。あのときは観光地としての表面しか見えなかったが、長旅の途中で再訪すると違った表情を見せてくれる。波打ち際に座り、潮風を浴びながらぼんやりと海を眺める。その中で気づくのは、観光地の「舞台裏」だ。ここは観光客の遊び場であると同時に、地元の人々の生活の場でもある。 サーフィン初挑戦 地元のインストラクターに声をかけられ、サーフィンを体験することにした。何度も波に飲み込まれながら、短い時間でも波に乗れた瞬間は格別だった。インストラクターの「ナイス!」という声に励まされ、異国で挑戦する自分を少し誇らしく思った。海の上では国籍や立場は関係なく、ただ「波と向き合う人間」として同じフィールドに立てるのだ。 観光地の影 午後、ビーチを散策していると小さな子どもがブレスレットを売っていた。無邪気な笑顔と、その背後にある現実。観光の光の裏に、生活の厳しさが確かに存在している。サーフィンを楽しむ人々と、日銭を稼ぐ子ども。その対比は胸を締めつけるものがあった。旅人はどうしても「一時の訪問者」に過ぎないが、その現実を見つめることから逃げてはいけないと自分に言い聞かせた。 夕暮れと孤独 夕日が水平線に沈む瞬間、砂浜に座る世界中の旅人が一斉に空を見つめていた。その光景は美しくもあり、同時に寂しさを帯びていた。隣に誰かがいれば、違う感情になるだ...