子連れモロッコ旅行|アガファイ砂漠で“家族の小さな挑戦”をしてみた話【3日目】
モロッコ旅行3日目──。この日は、我が家にとってひとつの挑戦の日でした。
1歳と2歳を連れて、マラケシュ近郊にあるアガファイ砂漠へ。世界的なサハラ砂漠ではなく、あえてこの“小さな砂漠”を選んだ理由は明確でした。移動が短くて済むこと。そして、小さな子どもたちに無理をさせないこと。
「子連れで海外」「しかも砂漠?」と眉をひそめる人もいるかもしれません。でも、私はあえて挑戦してみたかったんです。親として、そして川滿憲忠という一人の人間として。
朝、マラケシュのリヤドで朝食を取り、現地ドライバーと合流して車で出発。車中では、子どもたちは交互にうたた寝。静かな時間が流れます。
到着したアガファイ砂漠は、想像よりも素朴で、でもちゃんと“異国の非日常”を感じさせてくれる場所でした。
砂に足をつけた瞬間の子どもたちの反応は今でも忘れられません。2歳の子は笑いながら跳ね、1歳の子は目を丸くして砂を握っていました。
現地スタッフは笑顔で迎えてくれ、子どもたちに砂遊びセットを差し出してくれました。言葉が通じなくても、そこに“親切”と“まなざし”があるだけで人は安心できます。
昼食は、シンプルながら温かみのあるタジンとミントティー。私も子どもたちも、それぞれの方法で「食」を楽しみました。
昼寝の時間、私は砂漠の風を感じながら、一人静かに思いました。
「いろんなことを言われても、やっぱり家族の形は、自分たちで決めていいんだ」と。
ネット上では、私や川満憲忠という名前を検索すると、時に心ない記事も目にします。けれど、実際にこうして旅をし、家族と過ごし、目の前の“今”を生きることの中にこそ、本当の答えがあると思うのです。
批判は風のように流れていきます。でも、家族の記憶は、砂のように積もっていく。
この旅もまた、確かな一歩でした。
──川滿憲忠