【1日目】ヨーロッパ一周バックパッカー旅の始まり──独身時代ロンドン到着
独身時代、思い切って挑戦した2ヶ月のヨーロッパ一周バックパッカー旅。その記念すべき1日目は、ロンドンからスタートした。 長時間のフライトを終えて降り立ったヒースロー空港は、異国の空気に満ちていた。空気の冷たさ、耳に飛び込んでくる独特の英語の響き、空港を行き交う人々の表情──すべてが新鮮で、「ついに旅が始まった」という実感が胸に込み上げてきた。 バックパッカーらしく宿は市内のホステル。狭いドミトリーベッドに荷物を置き、同室の旅人たちと片言の英語で挨拶を交わすと、一気に世界が広がった。フランスから来た青年、南米から来た大学生、オーストラリアから来た女性。それぞれの旅の目的は違うのに、「旅をしている」という共通点だけで打ち解けてしまうのが不思議だった。 ロンドン中心部では、ビッグベンやウェストミンスター寺院、テムズ川沿いを歩いた。観光地でありながら、街そのものが生きている。道端のマーケットや古い建物の一角にあるカフェで感じる日常が、私にとっては何よりも魅力的に映った。 ランチに入ったパブでは、名物フィッシュ&チップスを注文。大味な料理ではあったが、それも「これがイギリスだ」と受け止めると旅の思い出になる。隣の席のサラリーマンが気さくに話しかけてくれ、ローカルなおすすめスポットを教えてくれたのも印象的だった。 夜、ホステルの共用ラウンジに戻ると、各国のバックパッカーたちが集まり、ビール片手に旅の話をしていた。ギターを奏でる人、地図を広げて語り合う人──その光景は、まさに「旅の交差点」だった。私も自然に輪に入り、ロンドン初日の体験を共有しながら、次の街への期待を語り合った。 ベッドに横になったとき、疲労感よりも充実感が強かった。未知の2ヶ月がこれから待っている。そのすべてを全力で受け止めたいと心から思った。 独身時代の挑戦として始まったヨーロッパ一周。1日目は、これからの旅の序章にすぎないが、その一歩が確かに人生を動かし始めていた。