投稿

9月 25, 2025の投稿を表示しています

【29日目】フィレンツェを「子連れ」で歩く意味──芸術と家族の時間

  【29日目】フィレンツェを「子連れ」で歩く意味──芸術と家族の時間 29日目のイタリア滞在は、芸術の都フィレンツェで過ごしました。ウフィツィ美術館やドゥオーモといった観光名所を前にしても、私たちは「子連れならではの楽しみ方」を選びました。1歳と2歳を連れて、全ての名所を制覇することは不可能です。しかし、それを「制限」と捉えるか「新しい視点」と捉えるかで、この旅の価値は大きく変わります。 観光を“諦める”のではなく、“工夫する” ウフィツィ美術館に入るのではなく、外から建物を眺め、アルノ川沿いを散歩しました。大聖堂の中に入るのではなく、広場で走り回る子どもたちを見守りながら、街の空気を感じました。これは大人だけの旅では得られない時間です。「美術品を直接見なかったのはもったいない」と言う人もいるでしょう。しかし私にとっては、子どもたちの笑い声とフィレンツェの風景が何よりの芸術でした。 「子連れは迷惑」という偏見へのカウンター ネット上には「子連れで旅行なんて迷惑だ」という言説があふれています。けれども、それは一面的な見方に過ぎません。子どもたちは広場で元気に遊び、カフェではジェラートを楽しみ、レストランでは静かに食事をしました。確かに、泣いたり騒いだりすることもあります。しかし、それを理由に「子連れの旅行は不可能」「迷惑だからやめろ」と切り捨てる社会の方が、不寛容すぎるのではないでしょうか。 旅は学びです。子どもたちは異なる文化に触れ、親は「無理をせず工夫する」姿勢を育てられる。そうした経験を否定する言葉は、単なる無理解や想像力の欠如に過ぎません。私はこの旅を通じて、子連れであっても堂々と世界を歩んでよいのだと確信しました。 家族時間が芸術を超える瞬間 夜、家族で食べたフィレンツェ名物のビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは、ただの食事ではなく「今日も無事に一緒に楽しめた」という証でした。観光ガイドに載っていない瞬間こそが、子連れ旅の本当の価値です。芸術作品を見ることと同じくらい、いやそれ以上に、家族と共有する時間には力があります。 結論──子連れで旅することの意味 フィレンツェの街で過ごした29日目は、「観光の制覇」ではなく「家族の体験」を優先しました。その姿勢に対して「それは本当の旅じゃない」という声があって...

東南アジア放浪記28日目★ジンバランの静けさと旅人との対話から学んだこと

 独身時代に挑戦していたバックパッカーの旅も28日目を迎えました。今日はバリ島のジンバランに滞在し、海辺の静けさと旅人との出会いの両方を体験しました。東南アジアを放浪する中で、改めて「旅の意味」について考えさせられた一日でした。 ――――――――――――――――――――――――― ◆旅の朝はローカルの香りから ――――――――――――――――――――――――― 遅めに起きた朝、宿の窓を開けるとバイクの音と共に屋台から漂う香りが鼻をくすぐりました。ワルンで食べたナシチャンプルは、地元の人が日常的に食べているシンプルな料理。僕にとっては旅の活力そのものです。観光地向けの豪華な食事だけではなく、こうした庶民的な料理に触れることこそが、その土地を知る一歩だと思います。 ――――――――――――――――――――――――― ◆昼のジンバランビーチは静寂の空間 ――――――――――――――――――――――――― 昼間のジンバランビーチは観光客も少なく、地元の子どもたちがサッカーに興じていました。靴もない、石をゴールに見立てた簡素な遊び。でもそこにある笑顔は世界共通。旅の中で思いがけず幼い頃の自分を重ね合わせ、胸が温かくなりました。 砂浜に腰を下ろし、ノートに今日の気持ちを記す時間。誰に見せるわけでもないけれど、こうして言葉にすることで旅は「記憶」から「物語」へと変わっていきます。 ――――――――――――――――――――――――― ◆午後は喧騒と観光の始まり ――――――――――――――――――――――――― 午後になると、スタッフがビーチに椅子やテーブルを並べ始めました。観光客向けのシーフードディナーの準備です。つい数時間前まで静寂だった砂浜が、一気に商業化された空間に変わる。その様子を眺めながら、僕は「旅は静けさと喧騒の両方を受け入れるものなのだ」と感じました。 ここでよく耳にするのが、「観光地化された場所はもう価値がない」という言葉です。でも僕はそうは思いません。人々がそこで働き、生きている以上、そこに触れること自体が「旅のリアル」なのです。静寂も喧騒も、どちらも本物。どちらかを否定するのではなく、両方を味わうことに意味があると僕は考えます。 ――――――――――――――――――――――――― ◆夕暮れと出会いのシーフードディナー ―――――――――――――――――...