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【東南アジア放浪記27日目】ティルタ・エンプルとウルワツ寺院──祈りと観光の交差点で感じたこと

  【東南アジア放浪記27日目】ティルタ・エンプルとウルワツ寺院──祈りと観光の交差点で感じたこと 東南アジアをバックパッカーとして旅して27日目。今日はバリ島の中でも、宗教的にも文化的にも大切にされている場所を訪ねた一日だった。ティルタ・エンプル寺院での祈りの場に触れ、ウルワツ寺院の断崖で夕陽を眺め、旅人としての自分の心境と向き合う時間を過ごした。 ティルタ・エンプル寺院の聖なる泉 朝、バイクでウブド方面へ向かい、ティルタ・エンプル寺院に到着。ここは聖なる泉が湧き出る場所として知られ、多くの人々が沐浴に訪れる。腰布を巻いて泉に並び、地元の人々と同じように頭から冷たい水を浴びた。その瞬間、ただの観光ではなく、心を清めるような体験となった。祈る人々の真剣な姿に胸を打たれ、「旅とは何か」を改めて考える時間となった。 祈りと観光のはざまで 境内にはお香や花のお供えが並び、祈りの香りに満ちていた。一方、外に出れば観光客向けの土産物屋が立ち並び、客引きが声をかけてくる。信仰と商業が同じ空間に混じり合う現実に、複雑な思いを抱きつつも、それがバリの「今」なのだと受け止めた。 ウルワツ寺院の断崖と夕陽 午後は南へ向かい、断崖絶壁に建つウルワツ寺院へ。大海原を見下ろすその景色は圧倒的で、波が岩にぶつかる音が心に響いた。夕陽が沈む頃、境内ではケチャの舞踊が始まり、炎を囲む男たちの声のリズムに鳥肌が立った。観光用の演目であると同時に、祈りの延長にも見える迫力ある時間だった。 自由と孤独を抱えながら 夜、安宿に戻って出会った旅人が「旅は自由だけど孤独だ」と言った。その言葉に深く共感した。今日の体験を通じて、自由を選んだ代わりに孤独も受け入れるのがバックパッカーの旅だと改めて感じる。祈りに触れ、観光の光と影を見つめ、自分の心の鏡を覗き込む一日だった。 川滿憲忠