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【30日目】独身時代30日間バックパッカー東南アジア編の最終日──旅の終わりと新しい始まり

  30日間にわたる東南アジアのバックパッカー旅も、ついに最終日を迎えた。独身時代にしかできないこの挑戦は、ただの観光や移動ではなく、人生そのものを映し出す「試練」であり「贈り物」だった。 最終日の朝、宿の窓を開けると市場の声と屋台の匂いが広がっていた。この雑多な雰囲気も明日にはもう体験できない。そんな思いから、街を歩く時間ひとつひとつを噛みしめながら過ごした。 旅の中で一番強く心に残ったのは、やはり人との出会いだった。ラオスで語り合った旅人、カンボジアで出会った子どもたち、タイで笑い合った屋台の店主──どの出会いも風景以上に鮮烈で、私に「旅の本質は人だ」と教えてくれた。 最後の食事は市場のフォー。飾り気のない一杯が、この旅を象徴しているように思えた。贅沢ではないが、心に残るもの。それこそがバックパッカー旅の魅力だ。 空港へ向かうバスの窓から見た街の灯りは、旅の終わりとともに新しい始まりを告げていた。30日間で得た学び──不便を楽しむ余裕、違いを認める柔軟さ、そして人を信じる心。これらは帰国後の人生においても、きっと支えとなる。 飛行機が飛び立つ瞬間、心の奥に「ありがとう」という言葉が浮かんだ。出会った人々に、風景に、そして挑戦した自分自身に。旅は終わったが、旅人としての心は生き続ける。独身時代に歩んだ30日間の放浪は、これからの人生を豊かにする確かな宝物だ。 川滿憲忠