アゲハ蝶23日目:今回は壁で蛹になると決めた(川滿憲忠)
23日目。アゲハ蝶3匹目が、ついに蛹になる場所を決めました。
これまでの2匹は、用意した割り箸を使って蛹化しましたが、今回の子は違いました。
選ばれたのは、飼育ケースの壁。プラスチックの面にしっかり体をつけて動かなくなった姿に、覚悟のようなものを感じます。
この小さな命が、何をもってその場所を選んだのか。それは分かりません。
でも「ここでいい」と静かに言っているような、そんな決意がにじんでいるように思いました。
夕方には体が少し縮み、明日か明後日にはきっと蛹へと姿を変えているはずです。
生き物の時間は正確で、無駄がなく、そして美しい。
川滿憲忠