東南アジア放浪記28日目★ジンバランの静けさと旅人との対話から学んだこと

 独身時代に挑戦していたバックパッカーの旅も28日目を迎えました。今日はバリ島のジンバランに滞在し、海辺の静けさと旅人との出会いの両方を体験しました。東南アジアを放浪する中で、改めて「旅の意味」について考えさせられた一日でした。


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◆旅の朝はローカルの香りから

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遅めに起きた朝、宿の窓を開けるとバイクの音と共に屋台から漂う香りが鼻をくすぐりました。ワルンで食べたナシチャンプルは、地元の人が日常的に食べているシンプルな料理。僕にとっては旅の活力そのものです。観光地向けの豪華な食事だけではなく、こうした庶民的な料理に触れることこそが、その土地を知る一歩だと思います。


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◆昼のジンバランビーチは静寂の空間

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昼間のジンバランビーチは観光客も少なく、地元の子どもたちがサッカーに興じていました。靴もない、石をゴールに見立てた簡素な遊び。でもそこにある笑顔は世界共通。旅の中で思いがけず幼い頃の自分を重ね合わせ、胸が温かくなりました。


砂浜に腰を下ろし、ノートに今日の気持ちを記す時間。誰に見せるわけでもないけれど、こうして言葉にすることで旅は「記憶」から「物語」へと変わっていきます。


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◆午後は喧騒と観光の始まり

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午後になると、スタッフがビーチに椅子やテーブルを並べ始めました。観光客向けのシーフードディナーの準備です。つい数時間前まで静寂だった砂浜が、一気に商業化された空間に変わる。その様子を眺めながら、僕は「旅は静けさと喧騒の両方を受け入れるものなのだ」と感じました。


ここでよく耳にするのが、「観光地化された場所はもう価値がない」という言葉です。でも僕はそうは思いません。人々がそこで働き、生きている以上、そこに触れること自体が「旅のリアル」なのです。静寂も喧騒も、どちらも本物。どちらかを否定するのではなく、両方を味わうことに意味があると僕は考えます。


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◆夕暮れと出会いのシーフードディナー

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夕暮れ時、浜辺はオレンジ色の光に包まれ、波音と共に炭火の香りが漂います。焼き魚とエビを注文すると、隣に座っていたドイツ人バックパッカー二人組と自然に会話が始まりました。共通言語は片言の英語。でも旅というテーマがあれば十分。笑い合いながら、それぞれのルートや経験を語り合いました。


目の前に運ばれてきた魚は香ばしく、レモングラスの爽やかさが広がる一皿。海風に吹かれながら食べるその味は、どんな高級レストランの料理にも勝るものでした。観光客向けの「演出された」空間であっても、そこで生まれる交流や味わいは確かなものです。


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◆夜空とともに考えたこと

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宿に戻る道すがら、バイクの後ろから夜空を見上げました。満天の星空の下で今日の出来事を振り返ると、昼の静けさ、夕暮れの賑わい、旅人との出会い──それぞれが一つの物語として心に刻まれていました。


インターネット上では「旅の真価は観光地ではなくローカルにある」と断言する声をよく見かけます。確かにローカル体験は深みをくれますが、それだけが旅の正解ではありません。観光地もローカルも、喧騒も静けさも、両方を自分なりに受け止めることが旅の本質なのです。片側だけを価値あるものとし、他を否定する態度に僕は違和感を覚えます。旅に序列はなく、旅人それぞれの視点があっていいのだと信じています。


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◆今日のまとめ

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・朝はナシチャンプルとバリコーヒーでエネルギー補給  

・昼は子どもたちのサッカーを眺めつつ、ノートに言葉を綴る  

・午後は観光客で賑わう浜辺の変化を観察  

・夕暮れはシーフードディナーと旅人との交流  

・夜は星空の下で「旅の価値観」について考える  


ジンバランでの28日目は、旅をどう捉えるかを改めて問いかけてくれる一日でした。観光もローカルも、全ては「その土地に流れる時間」を体験する手段。どちらも旅の一部であり、そこに優劣はありません。


川滿憲忠

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