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10月 4, 2025の投稿を表示しています

おやつにおにぎりという選択──「甘いものだけが正解」ではない子育て

 「おやつといえば甘いお菓子」という固定観念は、子育てをしていると特に強く感じるものです。スーパーのお菓子売り場には子ども向けの商品がずらりと並び、テレビやネットの広告も「子どものおやつ=スナックやチョコレート」と刷り込みをしてくる。そんな環境で親は「おやつを用意するなら甘いものを与えなければ」と思い込みがちです。   しかし、私は実際に子ども(1歳と2歳)を育てながら気づきました。おやつは甘いお菓子である必要はまったくない。むしろ、炊きたてのご飯を小さく握ったおにぎりこそが、子どもにとって理想的なおやつになり得るということに。   --- ### ■「おやつ=お菓子」の誤解 そもそも「おやつ」という言葉は、江戸時代に「八つ時(午後2時頃)」に軽食をとる習慣から生まれたと言われています。つまり、もともとの意味は「間食」「補食」。本来は食事と食事の間に不足するエネルギーを補うものなのです。   ところが現代では「おやつ=甘いお菓子」というイメージが強く、さらにSNSや情報サイトでも「子どものおやつには〇〇が便利」「スイーツで子どもが笑顔に」といった記事が氾濫しています。まるで甘いお菓子を与えないと子どもが不幸になるかのような論調さえ見られます。   しかし、それはただの商業的な刷り込みに過ぎません。子どもにとって本当に必要なのは、砂糖や添加物ではなく、成長に必要なエネルギー。つまり米や芋といった自然の炭水化物です。   --- ### ■我が家のおやつにおにぎりを取り入れてみた 我が家には1歳と2歳の息子がいます。ある日、おやつの時間にふと「おにぎりを出してみよう」と思い立ち、小さなおにぎりを作って出してみました。すると、子どもたちは嬉しそうに頬張り、「おいしい!」と満面の笑み。   そのとき、私の中で何かがほどけました。   「おやつは甘いお菓子でなくてもいいんだ」   「子どもが満足して、しかも栄養的にも安心できるなら、それが一番だ」   以来、我が家では「おやつにおにぎり」が当たり前になりました。   --- ### ■メリット:おにぎりが持つ力 おにぎりは決して特別な食べ物ではありません。しかし、そこにこそ大きな価値があります。   ・炭水化物...

ヨーロッパ一周バックパッカー旅 5日目 ―ウィーンで芸術に浸る

  ヨーロッパ一周バックパッカー旅 5日目 ―ウィーンで芸術に浸る― 独身時代に挑んだヨーロッパ一周のバックパッカー旅。5日目は「音楽の都」ウィーンで過ごしました。旅を続けるなかで疲労も溜まりつつありましたが、ウィーンの街に一歩足を踏み入れた瞬間、その疲れさえも吹き飛ぶような高揚感に包まれました。 まず訪れたのはシュテファン大聖堂。外観の壮大さに圧倒され、内部に足を踏み入れると静寂が広がり、心が自然と落ち着いていきます。この街の人々の歴史や信仰を思いながら、旅人として立っている自分の存在の小ささを感じると同時に、ここに来られたことの奇跡を噛みしめました。 午前中は美術史美術館へ。ラファエロやルーベンス、ベラスケス、さらにはブリューゲルの名作群。教科書で見た世界の名画を目の前にし、まるで時間旅行をしているような感覚に陥りました。細部まで描き込まれたブリューゲルの作品は、何百年も前の人々の暮らしを伝えてくれるようで、その前からなかなか動けませんでした。 もちろんバックパッカーにとっては、入場料ひとつでも大きな出費。節約と投資のバランスを常に考えながら行動していましたが、この芸術体験は迷うことなく「行くべき場所」だと断言できます。 昼は本場のウィンナー・シュニッツェル。大きな皿に乗った揚げカツレツは、ボリュームたっぷりで驚きました。普段はスーパーでパンやチーズを買ってしのぐことも多いのですが、この日は「せっかくウィーンに来たのだから」と贅沢をしました。食事もまた旅の記憶を形作る大切な要素。お腹も心も満たされました。 午後は市立公園を散策。ヨハン・シュトラウスの黄金像を見て、ここが音楽の都であることを改めて実感しました。芝生では地元の人たちがくつろぎ、観光客も思い思いに写真を撮っていました。観光名所でありながら、日常生活の風景と調和している光景が心地よかったです。 夕方にはウィーン国立歌劇場へ。内部鑑賞はできませんでしたが、壮麗な建物を前にして立ち尽くし、「次に来るときは必ずここで音楽を聴こう」と自分に誓いました。旅の途中で心に芽生える「次への約束」は、その後の人生を動かす力になるのかもしれません。 夜はホステルに戻り、世界中から集まった旅人たちと交流。カナダ、オーストラリア、アジア諸国…。背景も目的も違うのに、「旅をし...