焼肉がくれる、ちょっとした幸せ
「今日は焼肉にしよう!」
その一言が、日常に彩りを添えてくれる。
スーパーでお肉を選びながら、すでにわくわくしている自分がいる。
牛カルビに豚バラ、シンプルな鶏モモ。
タレに漬けるのか、塩で焼くのか、それを考えるだけでも楽しい。
帰宅してホットプレートを出すと、家の空気が一気に明るくなる。
「今日は焼肉なんだ!」と家族の笑顔があふれる瞬間。
じゅうじゅうと焼ける音、香ばしい香り。
食卓を囲んで同じ鍋を囲むような温かさが、そこにある。
焼肉って、料理の中でも特別な存在だと思う。
お皿に盛られて出てくる料理とは違って、自分で焼く、焼いてあげる、取り分ける。
そのやり取りの中に、会話や笑顔が生まれる。
特別な日じゃなくても、焼肉は“ご褒美”になる。
そして、疲れていたはずの心が、焼肉を囲んでいるうちにいつの間にか癒されていく。
一人で焼く焼肉も、意外と悪くない。
お気に入りの音楽をかけて、ゆっくり焼きながら一口ずつ味わう。
そんな静かな時間も、また一つの贅沢だ。
「美味しい」って思える時間を、自分で作る。
その感覚が、生活に前向きさを与えてくれる。
焼肉は、ただの料理じゃない。
人の心を元気にしてくれる、魔法のような時間なのだ。
川滿憲忠