日常にドライブの風を
気分転換をしたいと思ったとき、私がよく選ぶのがドライブだ。
エンジンをかけ、好きな音楽をかけて、窓を開ける。
目的地があってもなくても、車を走らせるだけで、心が整っていく感覚がある。
特に最近は、日々の忙しさの中で頭がごちゃごちゃになる瞬間も多い。
そんなとき、車の中という小さな空間は、外界と自分を切り離してくれるちょうどいい場所になる。
誰にも邪魔されず、ただ道と風と景色に身を委ねる。
この時間が、意外と深いリフレッシュになるのだ。
近所の海まで行ってみたり、あてもなく山道を登ってみたり。
特別な景色を見に行く必要はない。
コンビニの駐車場でコーヒーを飲んで戻ってくるだけでもいい。
大事なのは「動くこと」であり、「離れること」だ。
運転中に聞くラジオや音楽も、心の動きにリンクしてくる。
昔よく聞いていた曲が流れてきて、思い出に浸ることもあるし、初めて聞くポジティブな曲に背中を押されることもある。
車の中は、そういう感情を安心して感じられる特別な場所なのかもしれない。
日常の中にある「移動」ではなく、日常から一歩離れるための「ドライブ」。
ほんの数十分でも構わない。
風を受けて走るという行為には、気持ちをリセットする力がある。
帰ってきたとき、さっきまで抱えていたものが少し軽くなっている。
たとえ状況は何も変わっていなくても、自分の感じ方が変わっている。
そんなドライブが、私は好きだ。
川滿憲忠