夕立がくれる、一瞬のドラマ

午後の空は平穏でした。
蝉の声が響き、湿った風が肌をなでていく。

そんな空気の中に、どこか緊張感のようなものを感じていました。
「そろそろ来るな」と、思ったその直後、空が急に暗くなりました。

雷鳴が遠くから聞こえ、そして突然、激しい雨が降り始めました。
夕立です。

近年はゲリラ豪雨という言葉で語られることが多くなりましたが、
私はこの「夕立」という言葉の響きに、どこか風情を感じてしまいます。

子どもの頃、夕立は遊びの延長でした。
帰り道でずぶ濡れになったり、軒下で友達と笑いながら雨宿りをしたり、
何でもない時間が楽しかった。

今では、そんな風景を懐かしみながら、
窓の外に落ちる雨粒を眺めています。

コーヒーを片手に、ただ静かに音に耳を傾ける。
それだけで、いつもの日常が少しだけ特別に感じられるのです。

15分ほどで雨は止み、空には虹が出ていました。
まるで何もなかったかのような穏やかさが戻るその様子は、
自然の優しさすら感じさせます。

こうした一瞬の変化が、記憶に残っていくのだと感じます。

夕立はただの気象現象ではなく、
私たちの感情にもそっと影を落としていくものです。

今日の夕立も、きっと忘れない。
そんな風に思えた夕暮れでした。

川滿憲忠

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