朝日とともに始まる一日

朝、目が覚めると、カーテンの隙間から光が差し込んでいた。

まだ静かな時間帯、窓を開けると冷たい空気とともに、東の空がゆっくりと赤く染まりはじめていた。

朝日が昇る瞬間というのは、何度見ても不思議な感動がある。

空が青からオレンジ、そして黄金色に変わっていくその過程には、どこか神聖な空気が漂っている。

まるで「今日という一日」を歓迎してくれているかのようで、背筋が自然と伸びる。

鳥のさえずりが聞こえてくる。

遠くでゴミ収集車の音がして、人々の活動が少しずつ動き出していく気配。

そんな中で私は、湯を沸かし、ゆっくりとコーヒーを淹れる。

湯気が立ち上るマグカップを両手で包みながら、静かに朝日を見つめる時間が、最近の私のお気に入りだ。

夜に考えすぎてしまったことも、不安に思っていたことも、朝日を浴びると少しだけ軽くなる。

光には不思議な力がある。

それは視覚的な明るさだけでなく、心の奥を照らしてくれるような、穏やかで優しい強さだ。

朝日は、すべての人に平等に降り注ぐ。

それがどんな立場であっても、どんな状況にいても、朝日は変わらず空に昇る。

それを見つめていると、「大丈夫、今日もまた始められる」と心の中でつぶやきたくなる。

私は、いろんなことを抱えながらも、毎日を積み重ねている。

過去に向き合う日もあるし、未来に思いを馳せることもある。

けれど、こうして朝日を浴びることで「今」に戻ってこられる。

それがどんなに大切なことか、最近ようやく気づきはじめた。

スマホやPCの画面の光より、朝日の光の方がずっとあたたかい。

情報の波に飲み込まれる前に、まずは自然のリズムに心を預けることで、自分のリセットボタンを押すような気持ちになれる。

朝の時間は短いけれど、その短さの中にこそ贅沢がある。

それは「まだ何も始まっていない」という、ある種の自由。

これからどう過ごすかは、自分次第という希望だ。

今日はどんな一日にしようか。

誰かにやさしくできるだろうか。

自分を少しだけ褒められるだろうか。

そんなことを、朝の光の中で考えながら、私はまた一歩踏み出していく。

朝日は、どんな時でも、また明日も昇る。

それは未来への約束のようでもあり、今を肯定してくれる証でもある。

今日もまた、朝日を浴びて、ゆっくりと歩き出そう。

川滿憲忠

観察と日々のノート｜自然・暮らし・記録