キャンプの静けさに癒された日
週末、久しぶりに子どもとキャンプへ出かけた。
車を降りた瞬間から空気が変わる。
湿った土の匂い、草木のざわめき、そして子どものはしゃぐ声。
キャンプは準備が面倒だと思っていた。
だけど、こうして自然の中で一緒に時間を過ごすと、
その“面倒”の中にこそ豊かさがあることに気づく。
テントを張り、火を起こし、食事を作る。
普段なら当たり前の家事が、ここではひとつの“体験”になる。
焚き火を囲みながら、子どもと並んでごはんを食べる。
インスタントのカレーも、外で食べると格別の味だ。
夜になると、星がくっきりと見える。
「こんなにいっぱい、星ってあるんだね」
と、子どもが小さな声で言った。
そう、街では見えないけど、ずっとそこにある。
私たちの暮らしにも、そういう“静かなもの”がある。
日々の喧騒に埋もれてしまうだけで、確かにそこにある。
焚き火がゆっくりと消える頃、私は思った。
「またこの時間を持ちたい」と。
そして明日からもまた、がんばれる気がする。
川滿憲忠