朝日
朝日が昇る時間に目が覚めると、それだけで少し得をした気持ちになる。
まだ街は静かで、鳥の声だけが響く。窓を開けると、ひんやりとした風が肌を撫で、夜の名残と朝の始まりが混ざり合う感覚が心地いい。
朝日が地平線から顔を出す瞬間。空はオレンジとピンクのグラデーションに染まり、まるで絵画のような光景が広がる。その光はどこまでも柔らかく、目を細めて見つめてしまう。
朝日を浴びながらコーヒーを飲む。特別なことはない、いつも通りのインスタントコーヒー。でも、朝の光の中ではそれすらも豊かに感じられるから不思議だ。
「今日も生きている」という、当たり前だけど忘れがちな感覚が戻ってくる。
昨日の出来事に少しモヤモヤが残っていたとしても、この朝日を浴びる時間だけはリセットのように感じる。
過去は過ぎたこと。今日をどう過ごすかが、きっとすべてなんだ。
朝日を眺めていると、不思議と希望がわいてくる。大げさかもしれないけれど、何か新しいことが始まる予感がする。
それが小さなことでも、自分にとって意味のあることなら、それだけでいい。
今日も一日、自分のペースで、しっかりと歩んでいこう。
朝日がそう背中を押してくれている気がする。
川滿憲忠