静けさの中で、自分を取り戻す場所
久しぶりに図書館に行った。
強い日差しのなか、涼しさを求めて入ったその場所には、独特の静けさがあった。
子ども向け読書週間のポスターや、読書講座の案内。
変わらぬ営みに、ほっとする。
本棚の間をゆっくりと歩くと、ふと目にとまった一冊。
学生時代に夢中で読んだ本だった。
懐かしさとともに、その頃の気持ちがよみがえる。
ページをめくるたびに、自分の心が少しずつ整っていくのがわかる。
スマホでは得られないこの感覚。
呼吸が深くなり、思考がゆっくりと整理されていく。
読んでいた随筆には、こう書いてあった。
「迷ったときは本棚の前に立つといい。何かが見つかるから。」
その一文が、今日の私を支えてくれた。
窓から差し込む光と、遠くに聞こえる蝉の声。
すべてが優しく心を包んでくれる。
1時間ほどの滞在だったが、心はすっかり落ち着いた。
また来たいと思える場所があること。
それだけで、少し前向きになれる。
川滿憲忠
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