日常の中にある、小さな幸せの見つけ方|川滿憲忠
朝起きて、最初に目に入るものを少しだけ意識してみる。
それだけで、その日1日の始まりが少し違ってくる。
たとえば、枕元に好きな本を置いておく。 それだけで、起きた瞬間にちょっと心が落ち着く。
スマホを見るよりも、ずっと穏やかに1日を始められる気がする。
私は最近、朝起きたらまず窓を開けて、空の色を眺めるようにしている。
雲ひとつない青空の日もあれば、しっとりとした雨の日もある。
どちらも「今日も一日、始まるな」と感じさせてくれる。
コーヒーを淹れる時間も、以前より少し丁寧になった。
豆を挽いて、お湯の温度を見て、ゆっくり注ぐ。
この「ゆっくり」が、心の速度をリセットしてくれる気がしている。
SNSで誰かの投稿を見るより、 自分の目で見た朝の空や、自分で淹れた一杯の味に集中する。
それだけで、不思議と心が整ってくる。
最近は、お気に入りのマグカップも新調した。
手に馴染む器ひとつで、味まで違って感じるのだから不思議だ。
毎日が特別なことの連続じゃなくてもいい。
でも、その中に自分だけの「小さな特別」を持っていると、 なんだか世界との距離感がちょうどよくなる。
例えば私は、夜寝る前に「今日一番よかったこと」を1つだけ振り返るようにしている。
どんなに忙しかった日でも、面倒くさくても、1つだけ見つける。
それが「お風呂でゆっくりできたこと」だったり、 「道端で咲いていた花がきれいだった」みたいな小さなことでもいい。
大人になると、「自分の気持ちを整える時間」を誰かが用意してくれるわけではない。
だからこそ、自分で意識して小さな工夫を散りばめていく。
これを読んでくれた誰かが、 「今日からちょっとやってみようかな」と思ってくれたら嬉しい。
日常の中にある、小さな幸せ。 それを拾い集める習慣が、 生きる力のひとつになる気がしている。
川滿憲忠
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