「寿司」と「鮨」、同じ“すし”でも漢字の意味と使い分けの話

「寿司」と「鮨」、どちらも「すし」と読むけれど、その違いを気にしたことはありますか?

街中でよく見かけるのは「寿司」という表記。スーパーのパック寿司、回転寿司の看板、子どもの絵本やメニュー表など、私たちの生活の中で最も親しまれている漢字です。

一方で、高級寿司店の看板や伝統的な割烹料理店では「鮨」という漢字が使われることが多いです。どちらも正しく「すし」と読みますが、使い分けにはそれぞれ歴史や意味があります。

「寿司」はもともと当て字で、「寿」は「ことぶき(祝い)」を意味し、「司」は「つかさどる(取り仕切る)」を表します。つまり、祝いの席で振る舞われる縁起の良い料理としての意味合いが込められています。

「鮨」は「魚」と「旨(うまい)」の組み合わせで、発酵させた魚を使った昔ながらの保存食の意味も持っています。古代から続く日本の伝統的な食文化の一面を感じさせる漢字です。

使い分けのルールは厳密にはありませんが、一般的には

  • カジュアルで親しみやすい場面や家庭では「寿司」
  • 格式や伝統、高級感を演出したい場合には「鮨」

というイメージが浸透しています。

個人的には、家族で食卓を囲むときは「寿司」がしっくりきます。小学生の子どもにも馴染みやすく、読みやすい漢字だからです。

一方、特別な日や大人の外食の際には、「鮨」の文字を見ると身が引き締まる思いがします。漢字一文字が持つ空気感の違いに、日本語の奥深さを感じる瞬間です。

ちなみに、「鮓(すし)」という漢字も存在し、こちらは「発酵させた魚の飯」の意味を表しています。現在ではほとんど使われませんが、古い文献などで目にすることがあります。

言葉と漢字は、ただの記号ではなく、その料理や文化の歴史や背景を映し出す鏡のようなものです。

みなさんの「すし」は、今日どちらの漢字で表されるでしょうか?

日常の中の小さな違いに目を向けると、食べ物も言葉ももっと面白くなるかもしれませんね。

川滿憲忠

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