うなぎの香りとともに過ごす、土用の丑の日

土用の丑の日が近づくと、子どものころの記憶がふとよみがえってきます。

スーパーに並ぶうなぎの蒲焼き、あの香ばしい匂い。 「今日は特別な日なんだ」と、何も知らずにただワクワクしていた頃。

当時の我が家は、パックのうなぎをごはんに乗せて食べるスタイルでした。 タレが染み込んだ白ごはんと、少し焦げ目のついたふっくらした身。 贅沢ではないけれど、あの日の味は今でも心に残っています。

大人になってからは、土用の丑の日の由来が気になって調べてみたこともあります。

「土用」とは、五行思想における季節の変わり目を意味し、 「丑の日」は十二支に基づいた日取り。 体調を崩しやすいこの時期に、「う」のつく栄養のある食べ物を食べる習慣が生まれました。

その代表格が「うなぎ」。

江戸時代には、平賀源内の働きかけで広まったとされるこの文化が、 現代でもしっかりと根づいていることに感心します。

今年は少し奮発して、うなぎ専門店へ足を運びました。 子どもたちは初めてのうな重に目をキラキラと輝かせ、 「これ、ほんもののうなぎ?」「うわあ、いいにおい〜!」と大興奮。

運ばれてきたうな重は、まさに芸術品。 ふんわりと焼かれた身に、濃厚だけどすっきりとしたタレ。 お吸い物と香の物が彩りを添え、五感で味わうとはこのことかと納得の一品。

ひと口ごとに、「おいしいね」「やわらかい〜」と感動が口をついて出ます。 食後には「また来年もここに来ようね」と、早くも来年への期待が。

季節の行事は、こうして「記憶」として家族の中に根づいていくのだなと感じました。

うなぎを囲んで過ごす土用の丑の日。 それは単なる食事のイベントではなく、家族の絆を深めるかけがえのない時間でもあるのです。

また来年も、同じようにうなぎを囲んで「今年も元気だったね」と言えたらいいなと思います。

川滿憲忠

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