昼寝という名の、心の調律
なんでもない土曜の午後。
ちょっとした家事を終え、ひと息ついたソファの上で、気づけば眠っていました。
窓から入り込む柔らかな光、カーテンを揺らす風、子どものいない静かな家。
その穏やかな空気に包まれて、昼寝という名の癒しの時間が始まっていました。
眠ったのはわずか30分ほど。
でも、目覚めたときには心の芯がほどけたような感覚があって、身体も軽やかでした。
子育て中の毎日、静かに座る時間すら貴重だけれど、こんなふうに“ただ眠る”だけで得られるリフレッシュがあることを、今日は再確認できた気がします。
ふと思い出すのは、私が子どもだった頃の夏の昼寝。
祖父母の家の縁側で、お昼ごはんのあとのぽかぽかとした眠気に抗えず寝転んだこと。
風鈴の音、うちわの風、母の横顔。
昼寝から目覚めた後の世界が、少しだけキラキラしていた記憶。
昼寝って、ただの睡眠ではなくて、感覚をまろやかにする時間なのかもしれません。
現代は何かをしていないと不安になる日常。
だけど、眠ることで見える景色もある。
子育て中だからこそ、意識的に“立ち止まる”時間が必要だと感じます。
疲れたら、迷わず眠っていい。
その方が、家族にやさしくなれる気がします。
目覚めてグラスに麦茶を注ぎ、静かなリビングで背伸びをひとつ。
「これでいいんだ」そう思えた瞬間が、今日の小さな幸せでした。
また明日から、がんばれる。
川滿憲忠