投稿

10月 21, 2025の投稿を表示しています

ヨーロッパ一周26日目:再びパリへ。変わらない街と、変わった自分に出会う旅

 <!-- 本文 --> ヨーロッパ一周の旅もついに26日目を迎えた。   北欧の冷たい風、東欧の静寂、ドイツの力強さ──それらを越えて、僕は再びパリに戻ってきた。   同じ街を歩いているのに、まるで初めて来たかのような感覚。   それは街が変わったからではなく、きっと僕自身が変わったからだ。   パリ北駅を出ると、午前中の通勤ラッシュが少し落ち着いたころ。   テラス席でコーヒーを飲む人々、新聞を読む老人、足早に歩くスーツ姿の男性。   その全てが「いつものパリ」の姿だ。   でも今日は、その当たり前の風景が少し違って見えた。   まず向かったのは、ノートルダム大聖堂。   修復中の足場が残る姿は痛々しくもあり、同時に美しかった。   燃えたことも、再建していることも、すべてが“今”の姿としてここにある。   旅も同じだ。完璧でなくていい。途中の不完全さこそが、美しいのかもしれない。   セーヌ川沿いを歩きながら、過去の自分を思い出す。   初めてパリに来た時は、地図を片手にただ必死に歩き回っていた。   ルーヴルもエッフェル塔も、「見るべきもの」として急いで巡った。   でも今は、ただ歩くだけでいい。   その一歩一歩の中に、旅の意味がある。   午後はモンマルトルの丘へ。   相変わらず観光客で賑わっているが、サクレ・クール寺院の前に立つと静かな風が吹いた。   ギターを弾く青年の音が、空に溶けていく。   丘の上から見下ろすパリの屋根──その景色を前に、僕はただ座り込んだ。   何もせず、ただ眺めているだけでいい時間。   旅をしていると、こんな“止まる瞬間”がとても贅沢に思える。   夜は、セーヌ川沿いの小さなビストロへ。   「鴨のコンフィ」とグラスワイン。   一人で食事をしているのに、不思議と孤独ではなかった。   隣の席では老夫婦が微笑み合いながら、ゆっくりと食事を楽しんでいる。   その穏やかな時間を見ているだけで、自分の中の何かが静まっていく。   ...