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10月 20, 2025の投稿を表示しています

ヨーロッパ一周25日目:静寂の街ブルージュで感じた「旅の本質」とは

 <!-- 本文 --> ヨーロッパ一周も25日目。   列車に揺られながらベルギーの北西部、ブルージュへと向かった。   ブリュッセルの喧騒から離れ、車窓に映る風景がのどかになるにつれ、心が不思議と静まっていく。   駅を降りた瞬間、空気がやわらかく、湿った風が運河の香りを運んできた。   ブルージュは「屋根のない美術館」と呼ばれる街だ。   中世の街並みがそのまま残り、石畳の道を歩くと、時代の境目が消えていく。   観光地でありながら、どこかに“静けさ”がある。   この街は、訪れる人を急がせない。   まず向かったのはマルクト広場。   カラフルなギルドハウスが並び、その中心にはベルフォートの鐘楼がそびえる。   366段の階段を登って見下ろした街は、絵画のようだった。   赤茶の屋根、運河の反射、遠くに広がる草原。   人間の手が作り上げた街の美しさと、自然の穏やかさが溶け合っていた。   ランチには「ムール貝の白ワイン蒸し」を選んだ。   ベルギービールと一緒に味わうその時間は、まさに旅のご褒美。   時計を見ることもなく、ただゆっくりとした昼下がりを楽しむ。   旅に出て感じる“何もしない贅沢”が、ここにあった。   午後は、ブルージュ名物のチョコレート店を巡る。   石畳の通りにはショコラトリーが軒を連ね、店ごとに個性が光る。   老舗のショコラトリーで試食したトリュフは、まさに芸術品。   香りが立ち上がり、口に入れた瞬間にすっと溶けていく。   「甘い」ではなく「香る」。   その奥ゆかしさに、ベルギーらしさを感じた。   夕方、運河沿いの遊歩道を歩いた。   西日に照らされた水面が金色に輝き、街が一瞬、静止したようだった。   観光客も地元の人も、みんなその光景をただ眺めていた。   言葉もカメラもいらない瞬間。   その空気の中で、“旅をする意味”が少し見えた気がした。   夜は宿の近くの古本屋でノートを買った。   表紙には手描きのブルー...

ヨーロッパ一周24日目:静けさの中にある誇り──ブリュッセルで見つけた“本当の豊かさ”

 <!-- 本文 --> ヨーロッパ一周24日目。   アムステルダムから鉄道で約3時間。   たどり着いたのは、ベルギーの首都・ブリュッセル。   大都市でありながら、どこか控えめで穏やかな雰囲気をまとっている。   街を包む空気の中に、“静けさの誇り”のようなものを感じた。   まず訪れたのは、世界遺産にも登録されている「グラン=プラス」。   石畳の広場には金色の装飾をまとったギルドハウスが立ち並び、   それぞれの建物がまるで時代を語るように佇んでいる。   広場の真ん中に立つと、過去と現在が交錯するような不思議な感覚に包まれた。   人々が暮らしの中で守り続けてきた“文化の重み”が、静かに伝わってくる。   昼は地元のブーランジュリーでワッフルを食べた。   粉砂糖だけをかけた素朴な味。   観光地らしい派手な演出は一切ない。   だがその一口が、なぜか心に残った。   店を切り盛りする老夫婦の、誇りと優しさが滲んでいたからだ。   旅の中で、こうした「何気ない瞬間」こそが心を動かす。   午後は“世界一有名な像”ともいわれる「小便小僧」を訪ねた。   実際に見ると驚くほど小さい。   けれど、その小ささがかえってこの国らしい。   見栄を張らず、ありのままを受け入れる。   そんなユーモアが、ブリュッセルという街の懐の深さを象徴している気がした。   続いて王立美術館へ。   マグリットの作品群に出会う。   「これはパイプではない」と書かれた絵を前に、   “見る”ことの意味を問いかけられているようだった。   ベルギーという国は、一見地味で控えめだが、   その奥には知性と哲学が静かに息づいている。   派手な観光名所よりも、こうした深い思考の文化にこそ惹かれる。   夕方、カフェでベルギービールを飲みながら、   窓の外を行き交う人々を眺めた。   皆がどこか穏やかで、焦りのない表情をしている。   「暮らしを楽しむ」という...