「旅の終わり」と「生き方の始まり」──ヨーロッパ一周が教えてくれた自由の意味

 長いようであっという間だったヨーロッパ一周の旅が、ひと区切りを迎えた。  

けれどこの旅の終わりは、どこか「生き方の始まり」のようでもある。  


私はこの旅で、ただ観光地を巡ったわけではない。  

むしろ、現地の人々と語り、街のリズムを感じ、  

「どう生きるか」という根本的な問いに、何度も向き合う時間を過ごした。  


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ヨーロッパでは、誰もが「自分の人生をどう楽しむか」を大切にしていた。  

それは決して派手な成功やSNS映えを意味しない。  

静かな午後にコーヒーを飲みながら本を読む。  

日が沈む頃に友人とワインを片手に語らう。  

そんな“何気ない時間”を大切にしている。  


日本では、誰かに評価されるために努力し続けることが美徳とされる。  

だが、ヨーロッパでは「自分を大切にすること」こそが誇りだ。  

旅を重ねるうちに、その違いが胸に深く刺さった。  


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この旅の中で私は何度も「自由とは何か」を考えた。  

ベルリンの壁跡で立ち止まったとき、  

自由は「与えられるもの」ではなく、「自分で選び取るもの」だと感じた。  

歴史の重みの上に立ちながら、  

人間は何度でも自由を取り戻そうとする。  

その強さに、心が震えた。  


日本では、社会や他人の目を気にしながら生きることが多い。  

「こうあるべき」「こう生きなければ」  

そんな言葉が、私たちの思考を無意識に縛っている。  

だが、旅を通して感じたのは、  

「自由に生きること」は、わがままではなく“誠実さ”なのだということ。  


自分に正直でいること。  

それが、最も人を幸せにする生き方なのだ。  


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ヨーロッパで出会った人々は、どこか自然体だった。  

パリで出会った女性は、仕事を辞めて陶芸を学んでいた。  

ローマで知り合った青年は、週末だけギターを弾いて生活していた。  

誰もが「完璧ではない人生」を堂々と生きていた。  


日本社会では、完璧であることが求められる。  

失敗や迷いを見せると、すぐに叩かれる。  

でも、人間はそもそも“不完全”な存在だ。  

その不完全さを受け入れられたとき、  

初めて「人としての強さ」が芽生える。  


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この旅の終盤、私は旅ノートにこう書いた。  

「何を得たかではなく、何を手放せたか。」  

実際、旅を重ねるほどに“持たないことの豊かさ”を感じた。  


物を減らし、予定を詰めすぎず、  

心の余白を持つことで、初めて見えてくる景色がある。  

日本に戻ってからも、その感覚はずっと続いている。  


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SNSを見れば、旅の「派手な部分」ばかりが切り取られる。  

だが、本当の旅とは“自分の中に静けさを見つける時間”だ。  

映える写真よりも、心に残る風景こそが人生を変える。  

それを伝えたいと思うのは、  

「旅=贅沢」や「旅=自己満足」と決めつける風潮へのカウンターでもある。  


人は誰でも、自分のリズムで世界を感じる権利がある。  

旅する親も、働く若者も、迷う大人も。  

どんな形であれ、「自分の歩幅で生きる」ことを否定されるべきではない。  


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ヨーロッパを一周して見えたのは、  

「正解」よりも「多様な価値観の共存」だった。  

そしてその多様性の中でこそ、人は本当の意味で成長できる。  


旅の最中、何度も「違い」に戸惑い、  

何度も「共通点」に救われた。  

言葉や文化が異なっても、  

“人は誰かを思いやる存在である”ということは、どこでも同じだった。  


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帰国して思うのは、  

私たちはもっと「立ち止まる勇気」を持っていいということ。  

頑張ることも大切だが、  

“頑張らない時間”にこそ、本当の学びがある。  


ヨーロッパで出会った老人の言葉を思い出す。  

「人生は急ぐ旅ではない。寄り道が、思い出になる。」  


まさにその通りだ。  

人生もまた、一度きりの“旅”なのだから。  


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この旅を通して、私は確信した。  

旅とは、世界を見ることではなく「自分という地図」を広げること。  

そして、自分自身をもう一度信じることだ。  


これからも、私は旅を続ける。  

それは地図の上ではなく、心の中で。  

新しい景色を求めながら、  

世界と、自分と、もう一度向き合っていく。


──川滿憲忠

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